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マンボウ「3億個の卵→2匹生き残る」の噂はなぜ広まった? 専門家に聞いた「3億どころじゃないですよ」
「マンボウは3億個の卵を産むが、成魚になれるのは2匹程度」――。マンボウの「弱さ」を強調する語り草となっていますが、この生態について専門家は「実態はわからない」と話します。
発端は1921年、つまり100年以上前にイギリスの有名な科学雑誌『Nature』で発表された、Schmidt氏の論文です。この論文には、「マンボウの卵巣内に3億個以上の小さな未成熟の卵が含まれていることを発見した」という短い一文が記載されています。
もととなった論文(Schmidt[1921])には、そんなことは一言も書かれていませんし、マンボウの生存率を推定した研究もまだありません。 卵数のインパクトに対して「3億個も産卵するならマンボウはもっと海で見られるはずなのに、実際はそうなっていない」というイメージから、「少なくとも雌雄の2匹が生き残れば、種として存続できるだろう」と推測して誰かが魚図鑑などに書いたのが始まりでしょう。
つまり、今後マンボウの生存率を推定した論文が発表されるまでは、マンボウがどれくらい生き残れるのかは誰にもわからないのです。
ただ2020年の研究例では、「マンボウの卵巣全体の卵の細胞数は8億個以上と推定された」という報告もありました。 ――もっと増えてるじゃないですか……。個体によってかなり差がありそうですね。 Schmidt(1921)の3億個の知見から派生して、マンボウは「最も多くの卵を産む脊椎動物」といわれています。魚類自体、脊椎動物のなかでも卵数は多いのですが、マンボウはさらに多いみたいですね。
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マンボウ「3億個の卵→2匹生き残る」の噂はなぜ広まった? 専門家に聞いた「3億どころじゃないですよ」 …えている卵が最終的にすべて産卵されれば、3億個近い卵からマンボウがかえることもありえるのではないでしょうか。 マンボウが生涯にどのくらいの卵を産むかは… (出典:withnews) |
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