
(出典 家畜 - Wikipedia)
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謎だった家畜ウマの起源、ついに特定古代のウマのDNA分析であぶり出されたロシア南部のボルガ・ドン運河がある地域
数千年前から、ウマは世界中の社会で重要な役割を果たしてきた。古代から耕作に力を貸し、人々を短い時間で遠くへと運び、戦場では兵士に闘いにおける優位性をもたらした。こうしたことを分かっていても、では家畜ウマはどこから来たのかというシンプルな疑問には、専門家はずっと頭を悩ませてきた。 最近、2つの大陸の100人以上の専門家の尽力で、その謎がようやく解けたようだ。家畜ウマのルーツは「ロシア南部」にあるという答えにたどりついたのだ。 アナトリア半島(小アジア)、イベリア半島、ユーラシア大陸のステップ地帯西部という3つの地域のいずれかが家畜ウマのルーツとして有望視され論議されてきたが、今回の発見で、その起源は、ユーラシアステップ地帯西部(ボルガ・ドン地方)だという有力な証拠が得られた。 今回の研究を率いたルドビク・オーランド氏は、フランスのトゥールーズにあるポール・サバティエ大学の分子考古学者だ。彼は同僚と協力して、ポルトガルからモンゴルまでの複数の地域で発見された古代ウマの骨格から、遺伝子情報を再現した。 その結果、ロシア南部のボルガ川とドン川を結ぶ運河に近い地域が浮かび上がった。この地方は牧畜が盛んで、ウマの家畜化を間接的に示す考古学上の証拠が以前にも見つかっていた。今回の新たなDNA調査で、現代のウマの起源が、4700年から4200年前にこの地に生息していたウマであることが明らかになった。 現在のボルガ・ドン運河周辺に住んでいた古代の人々は家畜用のウマを繁殖させると、ウマとともに新天地へと移動を始めた。こうして短期間で、この系統のウマは西ヨーロッパから東アジア以遠まで広がったと考えられている。
優れたウマを求めて
ウマの家畜化自体は、約5000年前から4200年前の青銅器時代のヨーロッパやアジアですでに始まっていたようだ。そもそもウマは、始新世(約5600万年前~)から北米大陸の草原に生息していた小型の草食動物から進化したと考えられており、始新世(約260万年前~)の氷河期になるとベーリング陸橋を渡ってユーラシア大陸にも広がった。 考古学や歴史の記録によると、4200年ほど前に、突然、ウマの個体数がユーラシア大陸全体で急増したことが示されている。ただ、その理由は分かっていない。気候変動の影響で草原地帯が広がり、ウマの生息地も拡大したのだろうか? それとも世界各地で、人々がウマを同時に繁殖させたのだろうか? そもそもウマは共通のルーツを持っているのだろうか? ここ10年ほどの間に、骨や毛など保存された遺物から古代のDNAを再現する技術が進歩し、ようやく、先ほど挙げたような疑問を解くことが可能になった。
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| 謎だった家畜ウマの起源、ついに特定 …方は牧畜が盛んで、ウマの家畜化を間接的に示す考古学上の証拠が以前にも見つかっていた。今回の新たなDNA調査で、現代のウマの起源が、4700年から420… (出典:ナショナル ジオグラフィック日本版) |



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