
(出典 特集:幻の鳥ハシジロキツツキを追う 2007年1月号 ナショナルジオ ...)
<関連記事>
「幻の鳥」ハシジロキツツキ、米国が絶滅と認定かつて米国やキューバの森に生息していたハシジロキツツキ。「神のみぞ知る鳥」と呼ばれ、十数年前には米国で大論争を引き起こした幻の鳥だが、このほどついに絶滅との判断が下された。
この鳥が米国内で確実に目撃されたのは、1944年のルイジアナ州の事例が最後。以降、確実な目撃情報がないまま数十年が経過し、ほとんどの鳥類学者はこの鳥が絶滅したと考えてきた。9月29日、米国魚類野生生物局は、ハシジロキツツキを含む22種の動物と1種の植物を絶滅したとみなし、絶滅危惧種法の対象リストから削除する意向を発表した。
生存を信じている人と懐疑論者の対立は激化していった。米国で最も尊敬されている野鳥観察者の一人、ケン・カウフマン氏は、ハシジロキツツキが映っているとされる例の4秒間の映像を見て、上向きの角度で飛び去るエボシクマゲラに見えると判断した。カウフマン氏は最高に良い人なのだが、この自らの判断によって、懐疑論者になるとはどういうことを意味するのかを、すぐさま知ることとなった。「猛烈に怒鳴られましたよ。この喜びに満ちた出来事に疑問を抱くなんてと」。当時、彼は私にそう語った。 やはり鳥類同定の権威で、カウフマン氏と同じく鳥類のフィールドガイドを執筆しているデビッド・シブリー氏は、最初は興味を持ったものの、すぐに「証拠を見直すと、いかに証拠が少ないかがわかった」という。彼も最終的にはハシジロキツツキの発見に対する疑念を公表したが、「人生に一度あるかないかの『いい話』が事実ではないかもしれないと、どう伝えたらいいのか、難しかったです。うまいやり方はないですね」と私に語った。 多くの人が、この対立ゆえに友人を失った。科学雑誌や自然誌での言葉の争いは険悪なものになっていた。高名な学者たちがスキャンダル誌のようなトーンで互いに記事を執筆する。いったんある立場を採った人というのは、それを再考する謙虚さを持ち合わせていないことが多いものだ。
<全文はこちら>
![]() | 「幻の鳥」ハシジロキツツキ、米国が絶滅と認定 …の問いに、私はこう答えた。「なあ。ここにハシジロキツツキはいないよ。全て大きな間違いだ」 ハシジロキツツキ狂騒曲真っ只中でのこの発言は、編集者を驚か… (出典:ナショナル ジオグラフィック日本版) |
コメントする